この記事では、青年海外協力隊として派遣される方のために、日本から持っていったほうがいい物を紹介してます。旅行を含め、初めて海外に長期滞在する方にも参考にしていただければと思います。
もくじ
はじめに
海外旅行の準備物はネットである程度の情報が得られます。ただ、実際に長い間海外で生活するからこそ「日本から持ってきておけばよかった」と思う物って結構あるものです。現地でも調達可能なものはあるのですが、「品質がかなり劣る」とか「値段がかなり高い」といったことがあるのでモヤっとすることが多々あります。特にアフリカや南米では日本製品が出回ってること自体ほとんどありませんので準備はしっかりしておきましょう。私も先輩隊員や既に帰国された方の意見を参考にしましたし、この記事にも反映しています。筆者はインドネシアにいますので、一部はインドネシア基準の情報になりますが、ある程度アジア圏は共通していますのでぜひご覧ください。
【外部リンク】世界の電源事情 〜国別電圧、使用プラグ一覧〜 (ヨドバシ.com)
【別記事】まとめ買いでお得に準備をしよう!!〜青年海外協力隊に試して欲しい出国準備〜
これは海外に持っていこう!!〜日本で買い揃えた方がいいもの〜
早速ですが、出国にあたって日本から持って行ったほうがいいものを紹介していきます。出国を機に新たに購入をおすすめしているものもいくつかありますが、普段の生活の中でご自身の使用頻度などを考慮し、念入りに準備を進めてください。あくまでも主観になりますが理由も説明していますので、行き先の情報も踏まえて参考にしてみてください。
好きなら持っていけ [★1 必要な人のみ]
日本食
人によりますが、ドライフードや個包装の味噌汁、ふりかけなどを持ってくればよかったという声はよく聞きます。長期間日本を離れることで日本食が恋しくなる人はたくさんいるようです。
各種サプリメント
ビタミン剤や青汁をはじめとする各種サプリメントは必要に応じて準備しましょう。例えば、インドネシアでは油っぽい食事や炭水化物が多いので「野菜が不足する」とか、「脂肪吸収を抑制するサプリメントがあったら」という声も聞きます。事前に行き先となる国の食文化を確認し、栄養バランスを考慮して持ってくことが大切です。
※準備中 【別記事】インドネシアの食文化
腕時計(業務向け+ワールドタイム機能付き)
購入するかどうかは個人の嗜好にもよりますが、1本は準備しておくことをおすすめします。日本を含めた各国との時差(もしくは現在時刻)を確認できますし、他国(第3国)への旅行の際にも重宝するはずです。普段の業務や天候を考慮すると、防水機能を備えているものが良いでしょう。外での活動に向いているものをまだ持っていないのであれば、ぜひ検討してみてください。また、今使っているものが高価・華美なものであれば持って行かない方が良いです。窃盗の標的にされかねません。個人的にはスマートウォッチもおすすめしません。停電時(要充電のため)やタフさの面で信用できないので、防水&タフ&軽量・ソーラー充電・自動電波受信・ワールドタイムがあると大変便利です。
以下に、私(時計付き)のおすすめを紹介します。いずれも比較的廉価なのに機能が高い時計です。
本
他国では日本の本を購入することができません。専門書の類も当然ありませんので、出国前にiPadを使って電子書籍(Kindleなど)に溜め込んでおくか、どうしても必要ならば現物を持っていきましょう。インドネシアであればジャカルタに紀伊國屋がありますが、日本の本(雑誌、小説など)はかなり値段が高い(日本で800円の本が、2000円で販売されている)ので手が届きません。
迷っているなら持っていけ [★2 要検討]
クレジットカード、デビットカード(特にアジア圏)※2023年8月追記
アジア圏では電子決済が普及しています。一部のレストランやカフェでは、現金支払いが不可能なケースもあります。管理人の経験で国名をあげるとマレーシア、インドネシア、タイです。クレジットカードもしくはデビットカードは欠かせないので、お持ちでない方は早急に準備しましょう。
【別記事】 海外で必須のカード事情〜クレジットカードとデビットカード〜
電気シェーバー、マユシェーバー
替え刃式(カミソリタイプ)の髭剃りは各地で販売されていますが、やはり品質で日本製に優るものはありません。1個当たり100円程度でそれなりのものが購入できることが判明しました(2023年7月現在、確認済)。とはいえ、地域的な差や長期的なコストなどを考慮すると日本で購入した電気シェーバーがおすすめです。実際に水洗いができる電気シェーバーを持ってきていますが、とても快適に使用できています。価格帯は様々ですが、5,000円ほどあればそれなりのものが購入できます。そのほか、マユシェーバーも普段の身だしなみのために使用頻度が高いと思いますので、準備を忘れないようにしてください。
スーツケース
複数のスーツケースを持っていく人は多いでしょう。そのため購入を検討している人も多いはずです。スーツケースを新たに購入するのであれば、耐久性と防犯機能を備えたものをおすすめします。3つほど持っていく予定なら、1つはSサイズがおすすめ。そしてそれぞれにカバーやロックベルトがあると盗難への対策としても安心です。
スーツケースは飛行機の輸送、積み込みの際に粗末に扱われます。なので、個人的には頑丈で耐久性のあるフレームタイプのものをおすすめします。1万円程度あれば、十分にいいスーツケースを購入できます。そこをケチって安価な輸入品を買ってしまうと、荷物を詰め込んだ時にフレームがずれたり、重量に耐えきれず壊れる可能性が高いです(経験談)。特に移動中のスーツケース破損は洒落になりません。安心して荷物を詰め込めるスーツケースを選びましょう。
ファスナータイプのスーツケースがありますが、防犯上おすすめしていません。千枚通しのような道具があれば簡単に開けられてしまうからです。目的地が中東・アフリカであればファスナータイプは避けたほうが無難です。これらの地域は実際に盗難の事案が多いです。もしファスナータイプを使うなのであれば、スーツケース専用のカバーを使用すると良いでしょう。
ダイヤルロック式のスーツケースが圧倒的に多いですが、MSAロックがついていれば100%安心というわけではありません。というのも、MSAロック解除ツールが出回っているからです。MSAロックに加えてカバー+ベルト、さらに2m程の自転車用ワイヤーロック(ホテル滞在時にスーツケースをまとめてロックするのが目的)などがあっても良いかもしれません。方法はたくさんありますが、防犯を考えるのであれば複数の対策をとっておくのがベストです。
Sサイズのキャリーケースはとても便利です。短期間の旅行や移動の際に役に立ちます。赴任国内や第3国への旅行を考えているならば、その時にスーツケースは必要になると思いますので検討してみましょう。いくつか参考となる商品のリンクを以下に貼っておきますのでぜひ一度ご覧ください。
各種ガジェット用コード
USB端子を使って充電することが多いですが、突然コードが使用できなくなるととても不便です。現地調達をするとどうしても品質が劣っていたり、値段がかなり高いといったことがあるので、いざ購入しようとしても二の足を踏むことが多いです。日本のように100均商品で間に合わせるといったことができませんので、ねじれに強く、ある程度の長さがあって長期間使えそうなものを揃えた方が良いです。ドンキホーテなどにもたくさんの種類が販売されてますので、ぜひ検討してみてください。なお、国によって主流となるUSB端子は異なる(typeA,B,Cなど)かもしれませんので、それも下調べしておきましょう。
これは必ず持っていけ[★3 必須]
洗濯用具セット
(S字フック、物干しロープ、個包装洗濯用洗剤、ランドリーバッグ)
個包装の洗濯用洗剤、S字フック、物干しロープは個人的に重宝しているので紹介します。いずれも100均で購入可能です。S字フックは収納だけでなく物干しなど様々な場面で使えるのでとても便利です。物干しロープは柱が2つあれば、ベランダや室内、浴室などどこでも物干しができます。私はキャリーケース2つに洗濯ロープを結びつけ、ホテル室内で洗濯物を干していました。ついでに紹介しておきますが折りたたみ式(ワイヤータイプ)ランドリーバッグも大変便利です。ワイヤー式で小さく折り畳めるものであれば、スーツケースの間仕切りになります。部屋で実際に使う際にもプラスチックケースのようにかさばりませんし、帰国の際にも持ち帰れます。
変換プラグと変圧器
変換プラグは必須です。日本ならダイソーなどの百均でも購入が可能ですが、対応電圧が低い商品があるようです。プラグに記載のある対応電圧を確認の上、1つはしっかりした良い商品を持っていくと安心です。ちなみに標準電圧は日本が100Vで、インドネシアやタイであれば220Vとなっています。使用する製品にも対応電圧の記載(例えば、「100〜220V」といった感じのもの)がありますので1度確認してみましょう。また第3国への渡航を検討している方は多数の国のプラグに対応している商品を準備しているととても便利です。USBポートが付くと少し値が張りますが、備えあれば憂いなしです。
【外部リンク】世界の電源事情 〜国別電圧、使用プラグ一覧〜 (ヨドバシ.com)
海外と日本では電圧が異なりますが、変圧器は必ず必要というわけではありません。パソコンを含め、多くの電子機器は各国共通で使用できるものが多いので使用上問題ありません。ただし、日本国内での使用を想定した商品(コンセントタップやドライヤー、ヘアアイロンなど)には電圧が100V程度に限定されるものが一定数あるため、もしもそれを海外でも使いたいならば変圧器は必ず必要となります。私が滞在先ホテルで日本から持参したドライヤーを使った時、異常な音と発熱があったため即座に使用を中断しました。持参したドライヤーの対応電圧が100Vまでだったのが原因でした。電圧を確認をせずに使用するとショートしてしまい、せっかく持ってきたものが2度と使えないなんてことも十分あり得ますので、十分な注意と確認作業が必要です。ちなみに変圧器は筆者が持ってくれば良かったと思っているものNo.1です(泣)。
インドネシアで普段使っているコンセントから突然火花が散ったこともあります。このときはかなり焦りました。原因が日本製のものを使ったからなのか、それとも戸内で電気製品を使いすぎたのか、何か埃がついていたのか、あるいは海外の電圧が日本より高いからこういったことは頻繁に起こりうることなのか、、、今も全くわかりません。もちろん、コンセント自体を見てみても、安全に配慮された作りではありません(笑)。電気まわりには結構気を使っています。
少し不安を煽る内容になってしまいましたが、簡単にまとめるとまずは「滞在先の電圧を確認する」こと、そして「使用したい製品の対応電圧を確認する」こと、これが肝心です。製品の対応電圧が低い場合(~120V)には「海外対応の製品(100~220V)を日本で買う」か「現地調達」となります。荷物の量と相談しながら検討してみてください。
モバイルバッテリー(できればライト付き)
モバイルバッテリーは必ず持っていきましょう。海外では相当高価な商品となります。停電時などの緊急用、お出かけ時のスマホ充電などあらゆる場面で必要となります。アウトドア向けの防水機能がしっかりしているものの方が望ましいので、店頭で実際に手にとってから購入することをおすすめします。ソーラー充電機能に関しては充電量が大きくないのでそれほどこだわる必要はありません。通販で購入できる商品のリンクを貼っておきますので、参考程度にご覧ください。なお、飛行機では必ず手荷物に入れなければなりませんので、サイズは手頃なものを選びましょう。そして機内に持ち込めるバッテリーの最大容量と個数は決まっています(例:JALは容量27,000以上43,000mAh未満なら2個まで、27,000mAh未満なら個数制限なし)ので、この数値も必ず出国時に確認してください(2023年6月現在)。
文具一式
これは絶対に一式揃えていきましょう。ボールペン・シャープペンも替え芯に加えて本体自体の予備があって良いです。ハサミやカッターはもちろん、簡易な工具セットも現地で何かあった時に重宝します。ルーズリーフやノート類が必要な場合も、ある程度まとめ買いしておきましょう。
日本製があまりにも優れていて、海外製で同じクオリティのものを手に入れることはできません。もし日本製の商品が販売されていても販売価格は3〜4倍程度(インドネシア価格)になっています。事務・行政系の方は念入りに準備しましょう。また、教育系の方だと、油性ペン(マッキー)は持って行った方がいいと聞いたことがあります。以下、思いつく範囲で列挙しています。
シャープペン(+替え芯) / ボールペン(+替え芯) / 定規 / 巻尺 / ハサミ / カッター / 工具セット / ノート / ルーズリーフ / 消しゴム / 蛍光ペン / 油性マーカー /
折り畳み傘
熱帯地方に行く場合には折り畳み傘は必ず買っておきましょう。バケツをひっくり返したようなスコールが週に3〜4日はあると考えてください。使用頻度はかなり高めです。風もそこそこ強いので、安物の傘だと一発で破壊されます。インドネシアは徒歩で移動する習慣がないので、現地で良い商品を調達することは困難です。そのほかの国であっても、使用することは多々あると思いますので、Made In Japanをぜひ持っていきましょう。
マイク付きイヤホン
同期隊員や職場関係者とのミーティングで利用することが多く、使用頻度はかなり高めです。職場によっては静かな環境を確保することが難しかったり、イスラム圏では町中に大音量のアザーンが流れたりしますので、準備しておくほうが良いでしょう。iPhoneの購入時についているもので十分です。ワイヤレスだとマイクの機能が劣っていて音声が途切れやすく、相手が聞き取りにくくなるケースが多々ありますので、その点も含めてご自身で検討してみてください。なお、海外で購入する場合にはそこそこの値段で販売されていますのでご注意ください。
メガネの予備
普段眼鏡を使っている方は必ず予備を持っていきましょう。日本製はレンズが薄く、フレームも頑丈な製品が多いですが、海外ではそうはいきません。壊れた時に新調するのが難しいケースが多々ありますので、日中ずっと使っているならば2つほど予備があって良いです。
衛生用品(爪切り、毛抜き、歯科用品、化粧品)
爪切り、毛抜きなどの品質が求められる精巧なものはやはり日本製が優れています。予備も含めて持っていくことをおすすめします。
歯ブラシは、ヘッドのサイズが現地の方々に合わせたもの(ひと回り大きいサイズ)になっていているので日本から持っていきましょう。歯磨き粉は虫歯予防のことを考えて、フッ素加工のものを選びましょう。海外で歯科治療をすると治療費がとんでもないことになります。ホワイトニングなどの各種効果が必要な方も、必ず日本製を持っていきましょう。
その他の化粧品(UVカット、スキンケア)は個人の好みなのでそれぞれで判断してください。ただし、海外製品が日本のものと同じということはないので、買い揃えていく人はいるようです。私も乳液は普段使っているものを持ってきました。今のところ、同じ商品が販売されているのをインドネシアでみたことはありません。
海外で使い方に気をつけたいもの
海外で生活するときに注意してほしいことがいくつかあります。それは「高価なものや目立つものは持って行かない」ということです。日本では何気なく使っているものでも、現地にいけば高値で取引されているものがあります。スマホやタブレットなどは当たり前のように使うものですが、海外で日本にいるかのような感覚で使用するとスリやひったくりの標的になってしまいます。十分に注意しましょう!
iPhone / iPad
言わずもがな高価なものですが、海外でも中古品として高値で買い手がつく商品です。そのため、スリやひったくりに狙われる可能性があるものNo.1でしょう。手元で頻繁に使用するものですので人の目にもつきやすいです。海外で使用する際には、ケースに入れるなどしてAppleの製品だということが分からないように、背面のロゴが隠れるようにしておくこと、ストラップを使用して手から離れないようにしておくといった対策が必要です。
腕時計
見るからに高そうな腕時計を使用するのはやめましょう。窃盗の標的になりかねません。また、街中を歩いているときに目立つ行為自体がよろしくありませんので、色味なども気を使った方が無難です。環境が日本とは違いますので、防水機能や耐衝撃性能も含めて耐久性が十分でないものは持ってこないほうが良いです。壊れてしまって後悔するくらいなら日本に置いておいて、壊れても良いくらいのものを持参しましょう。とにかく地味で、機能性が大切です!
財布
ブランド物がどうこうというより、分厚くて目立つような柄のものは望ましくありません。理由はスマホや腕時計と同じで、スリや窃盗の標的にされかねないからです。実際には中身が入っていなくても、分厚ければ「もしかしたらたくさんお札が入ってる!?」と思われてしまう可能性が高いです。地味でお札が数枚入るだけのコンパクトなサイズ感の財布をあえて使用することをおすすめします。
まとめ
たくさんの準備物を紹介してきました。全て持っていければそれが1番良いのですが、持ち込める荷物にも制限があるので悩ましいところですね。やはりある程度の諦めは必要だと思います。例えばシャンプーや洗顔料、化粧品類もこだわってしまうとキリがないです。なので、むしろ、生活で使う道具に重きを置いてください。先に挙げたものの中で言うと、各種電子機器や毛抜き、文房具といったところが良い例です。クオリティが高いものを海外で探すのはとても難しく、もし販売されていても高価です。世界の人が日本の100均を見て驚く理由がよくわかります。日本で当たり前のように使っているものは、かなり精巧で上質なのです。とにもかくにも道具は「機能性」にこだわって出国の準備を進めてください。