インドネシア・ライフ 環境教育

インドネシアの大気汚染

この記事ではジャカルタの大気汚染についてまとめています。実際に生活する中で気づいた季節と大気の関係性についても紹介していきます。

はじめに

 インドネシアに来てすでに半年以上が経過しました。2つの季節があるインドネシアですが、到着した時は12月で、まさに雨季真っ盛りというタイミング(ほぼ毎日スコール)。5月以降になると乾季に入ります。徐々にスコールが降らなくなり、近隣では池が水不足になっていて「これぞ乾季!」といった状況です。乾季で雨が降らなくなったせいもあるかもしれませんが、鼻や喉が乾燥する感覚が強くなってきました。生活する中で大気中の排ガスや土埃を吸い込んでしまっているのかもしれません。インドネシアは大気汚染も指摘される国です。今回の記事を読んで、インドネシアの大気汚染について知っていただけたらと思います。

ジャカルタ周辺の大気汚染

大気汚染の原因

 大気汚染の原因はいくつかあるでしょうが、最も影響が強いのは「排ガス」でしょう。すでに別記事で紹介したように、都市圏の過密状態が引き起こす大渋滞は相当な大気汚染物質を排出しています。

 

【別記事】 インドネシアの道路は大渋滞

 

 普段生活していると当たり前のようになってしまうので大気の状態やその変化に気づくことは難しいのですが、例えば朝窓を開けて遠くの景色を眺めてみると靄がかっている日が多いです。砂塵が舞っているといった感じでしょうか。日本では透き通った景色が広がっていて、遠くの山々が見えるといったことは頻繁に体験できますが、インドネシアの首都圏では遠くの街を見渡すということはあまりできません。やはり大気が汚染されている証拠でしょう。 

コロナで分かった大気の汚れ具合

 人々がどれだけ大気が汚れているかを改めて知るきっかけになったのは「コロナ」と言われています。日本でも感染拡大したため、お分かりいただけるでしょう。ジャカルタ首都圏でも人々が外出を控えたことで、結果的に自動車やバイクの利用が減り、大気がとても綺麗になったということをまさに目の当たりにしたということです。1つ画像があったので掲載しておきますが、一目瞭然ですね。

 

  

 首都圏のスナヤン(Senayan)地区にあるスタジアム周辺の写真になります。かなり大気が汚れていることが分かっていただけるでしょう。これだけの砂塵が舞っている状態で私たちは呼吸をしているわけですから、喉や鼻に痛みが出てしまうのも頷けます。ちなみに同じような写真は他国でもいくつか取り上げられています。以下にインドの写真も掲載しますが、どの途上国でも同じような状況であるということは言えそうです。

 

  

インドネシアの2つの季節

乾季

 インドネシアの乾季は4月〜9月と言われます。5月くらいから少しずつ雨が少なくなり、8月だとほとんど雨が降っていないと感じます。実際、8月になって雨が降った回数は片手で数えて余るほどです。しかも1回の雨量は多くありません。そのため、近隣の池は干からびていたり、川の水位も大きく下がっている状況になります。

 雨量の低下に伴って乾燥が進みます。砂塵・粉塵が町中に舞っている状態なので、少し煙たさのようなものを感じます。暑い日にマスクをしている人を度々見かけますが、もしかしたら「コロナ対策」ではなく「大気汚染への対策」なのかもしれません。耳・鼻が不安な方にとっては酷な生活環境と夏可能性もありますので、注意が必要です。

 

雨季

 インドネシアの雨季は10月〜3月の間と言われています。少しずつ雨が増えてくるので、11月か12月になれば「雨季に入ったなぁ」という感じになるでしょう。夕方にはスコールが降ることが多くなり、朝から雨が降ることもしばしばあります。そのため、インドネシアに長期間滞在するときは折り畳み傘が必須の持ち物となります。

 都市部から離れたエリアでは排水施設が整っていないので、雨水が溢れて道路が冠水してしまうことも頻繁にあります。だから現地の方々はサンダルを履いています。首都圏で仕事をしている人を除けば、革靴を履いている人はほとんどいないといっていいでしょう。雨の多さがからそのような生活スタイルになっているのです。

 雨が多いと煩わしさはあります。でも、雨が降ることによって大気中の砂塵・粉塵が洗い流されていると考えると、むしろ定期的な雨は必要と感じます。大気を定期的に浄化してくれる雨はまさに天の恵みです。乾季になると感じます。早く雨季にならないかなと。

 

おわりに

 首都圏の大気汚染と季節の変化について書いてきました。季節によってここまで大きく生活環境が変わるというのは、管理人自身も正直驚いています。「乾季には水不足になるよ」と聞いていたので、どこまで水不足に悩まされるか心配はしていました。現状では「水が足りない」という状態にはなっていないので生活自体に支障はありません。でも、雨が降らないことで健康にどのような影響が出るかは想定していなかったので、これも住んでみないと分からないなぁと感じ、そして大気汚染の深刻さを無視できないなとも思います。具体的な対策がどうこうという内容の記事ではありませんが、対策をとっていくことが必要だということを知っていただければと幸いです。

-インドネシア・ライフ, 環境教育